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2016年07月03日12:45

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日本沈没

 ダッカのテロで日本人が多数犠牲になったというニュースを聞いて急に思い立ち、昨夜遅く、久しぶりに森谷司郎監督の「日本沈没」を観ました。

 東京を巨大地震が襲い、凄まじい火災が発生したため、災害派遣要請を受けた自衛隊は消火弾を使った消火活動に当たります。
 しかし、都内6000箇所に上る火災を前に、それは焼け石に水でしかありません。
 総理大臣・山本(丹波哲郎)は統幕議長に「ヘリだけでなく偵察機や戦闘機にも消火弾を搭載し、全機出動できないか?」と問うのですが、「ヘリほど低空には下りられないし、第一危険でもあり、かえって作戦が混乱します」と却下されてしまいます。
 未曾有の災害を前にして、もはや打つ手を持たない無力感に苛まれた山本は、こうつぶやくのでした。

 「ヘリによる消火活動が、さほど効果があるとは思えない。しかし今はこの自衛隊のヘリに頼るしか・・・。では、戦闘機はいったい何のためにある? 国を守るため・・・? 国民の生命・財産を守るというのは、いったい何なんだ?」


 国を守るというのは、勇ましい掛け声や声高な愛国アピールでは成し得ません。
 増してや、「日本人には指一本触れさせない」などという、ちょっと聞こえはいいけれど、何の具体性もないただのスローガンなんぞ、お呼びじゃないんですよ。さらに言えば「テロを許さない」「テロには屈しない」といった実効性のない強がりなど、かえって敵を増やすだけです。
 棍棒を振り回して周囲を威嚇してればヤツらは手を出せないんだぜーなどと思い込んでいたら、きっとどこかで足下を掬われますね。
 国民の生命・財産を守るのは結局のところ、武力ではなく智慧だと思います。そう、オツムを使わなきゃ。戦争って、おカネがかかりますしねえ。

 ついでに言いますと、この1973年版「日本沈没」は、日本人が難民となる世界を想定した物語になっています。
 難民受け入れ後進国の国民が国を失い、難民となる。他国からは「この連中を入れたら、我が国の中にもう一つの国ができてしまう」とあからさまに疎まれてしまう。
 今まで知らん顔を決め込んでいた難民問題の当事者に、自分たちがなるという怖さ。
 そこのところを私たちは、こういう作品を観ることで考える必要がありますね。
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