もう30歳若かったら雑誌「Quick Japan」を毎月購読していただろうな、なんて思います。そういえば「日本ロック雑誌クロニクル(by篠原章)」なんて本はむさぼるように読了したし。そしていわゆる“たけし本”もけっこう読んだはず…。もうおわかりだと思うけど、これらはすべていま世間で物議をかもしている少年Aの手記の出版元から発売されたもの。
なんでもこの手記は初版10万部にくわえて5万部の増刷がきまり、先週のベストセラー総合チャートでは堂々1位だったと。やっぱり人間の下世話な欲望というのかノゾキ趣味というのか(もちろんこれらの感情ばかりが購入動機ではないと思うけど)コワいなあと思いますね。少なくとも10万人くらいのひとが懐の中から1500円+税を払ったわけですからね。
私は書店で手に取るとかページをめくるとかいう行為にさえも嫌悪感を抱きました。いや、何もエエかっこしてるんじゃないですよ。私だって「FRIDAY」や「FLASH」はベタ喫茶で毎週覗いてるし、袋とじが閉じたままだったら損した気分になるし。誰だって下世話なノゾキ趣味は多少なりともあり、世の中にはそれにたいする受け皿も用意されてるんですが、さすがに今回ばかりは…。
書くほうも書くほう、出すほうも出すほう、そして買うほうも買うほう。よく平積みの山から一冊抜き取ってレジまで持っていけたな、なんていう部分で懐疑的になりますけどね。とにかく今回の件は虫酸が走るという表現がピッタリです。こうなったらピースの又吉直樹が芥川賞を獲って、早いこと書店の店頭を彼の著書で埋めつくしてほしい、そんなふうにも思ったりするのです。
ログインしてコメントを確認・投稿する