いよいよ年の瀬って感じになってきましたね。
この気分をさらに盛り上げるには、イルミネーションや年賀状作りだけでなく、昔懐かしい「お正月映画」、これが必要!
てなわけで、これから大晦日にかけて、70年代お正月映画の中で自分が持ってるDVDやブルーレイを片っ端から観まくろうと思います。
まず、第1弾はこれ。
アラン・ドロン主演の「フリック・ストーリー」。
いやー、ひっさしぶりに観たなあ、これ。とてつもなく地味な捜査劇なんで、驚きましたわ。ちなみに本作が公開された75年の正月映画の大本命は「ジョーズ」。それに対抗してこの作品を正月第1弾興行に持って来た東宝東和、いい度胸してるな。
戦後間もなく、フランスを震撼させた稀代の強盗殺人犯エミール・ビュイッソンと、国家警察の野心溢れる刑事ロジェ・ボルニッシュの戦いを描いた本作ですが、時代が時代だけに、あちこちに戦争の痕跡が残っているのが興味深いです。
印象的だったのが、ボルニッシュが同僚刑事の拷問まがいの取り調べを咎めるシーン。かつて兄をゲシュタポの拷問で失った彼は、たとえ犯人追及のためとはいえ、暴力を振るうことを許せません。そしてこう言います。「乱暴な警官は害虫と同じだ」と。
もう一つ目に止まったのは、ビュイッソンの愛銃がドイツのワルサーP38だったこと。言わずと知れた名銃ですね。ルパン三世が持ってる、あれです。
仲間に命じて中古のワルサーを手に入れた時、普段は全く表情を変えないビュイッソンが急に喜色満面になり、ふざけて仲間に銃口を向けたりするのですが、これは不気味でしたねえ。ビュイッソンを演じるジャン・ルイ・トランティニャンの芝居も見事です。
長い間ドイツに占領され、辛酸をなめてきたはずのフランス人である彼がなぜワルサーを偏愛するのかははっきり説明されませんが、恐らく、目的のためなら殺人も厭わない性格と、ワルサーの武器としての優秀さは何か共鳴するものがあったのでしょう。
この作品、我が田舎ではシドニー・ポラックの「コンドル」と二本立てでした。今にして思うと、豪華な組み合わせでしたねえ。何しろアラン・ドロンとロバート・レッドフォード主演作が抱き合わせになってるんですから。
さて、来週は何を観ますかな。他にも「007 私を愛したスパイ」「ラスト・コンサート」「カサンドラ・クロス」「カプリコン1」「ダーティハリー3」「ナイル殺人事件」「ルパン三世 カリオストロの城」なんてのがずらっと並んでますから。
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