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2014年12月13日13:18

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残り香に思うこと(その7)

 こんな年齢になっても、着飾った女を見るというのは面倒なものだ。どれほど着飾ったところで、どうせ見たいのは、その下のさらに下にあるものなのだ。それなら、いっそ全裸でいてくれたほうがありがたいというものだ。
 その昔は性風俗も面倒なものだった。面倒な手続きがあり、面倒な場所にあり、面倒な手順があったものだった。特にマニア性風俗は面倒だった。
 まずは、少ない情報から店の様子を想像しなければならない。新聞の三行広告などというものは、電話番号という最低必要な情報を除けば、あと二行しかないのだ。二行は文字にすれば三十文字程度だった。その、たった二行の情報で店を想像するのだ。想像通りかどうかは直接電話して確認しなければならないが、向こうも商売であるから、上手に誘導する。たとえば「可愛い子がいる」とは言わずに「いい子がいる」などと言うのだ。
 それでは行ってみようと思っても、そこからが面倒だった。マニア性風俗は駅前にはないのだ。駅からタクシーに乗せられる。行くのも面倒なのだ。
 そんな性風俗が今は懐かしい。最近はマニア性風俗でさえ、分かりやすくかんたんで便利になったのだ。
 しかし、それは楽しいのだろうか。分かり難い、面倒、不便は、楽しかったのではないだろうか。
 一年かけて女を口説くような面倒こそが面白かったのではないだろうか。朝に口説いて夜にやる。そんなことが面白いだろうか。
 分かり難く面倒で不便な性風俗。そんなものを作りたかった。そんなものが流行するような面白い世の中を生きたかった。
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