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2019年03月30日16:30

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「リヴァプール、最後の恋」〜短くも美しく燃え

往年のオスカー女優グロリア・グレアム(アネット・ベニング)と若手無名舞台俳優ピーター・ターナー(ジェイミー・ベル)、キャリアを超えた歳の差30歳の恋愛模様。またまたこれが実話もの、ただ今回はちょっとひとひねりして、ピーターが80年代後半に著した回顧録「Film Stars Don't Die in Liverpool」(=映画原題)、いわば当事者の体験告白を原作にした作品。

アネット・ベニングにとって代表作の一本になること間違いなし。男性遍歴を重ね、華やかな過去の栄光を忘れられない自由奔放な女性グロリアを熱演。彼女って奥ゆかしい女性を演じられるハリウッドでは数少ない存在(まあ日本の女優にとってはお手のものだけど)だとずっと思っていたけど、キャリアを重ねた最近は前に出る役柄が増えてきたような。

物語は1980年あたりを前後、後半に向かうにつれ時系列があちこちに飛んでちょっとややこしくなる。ただ、英国地方都市リヴァプールのちょっとイケてない雰囲気をベースにして、ゴージャスかつチープな虚栄の市ハリウッドや、活気あふれるニューヨークの匂いを交差させていく組み立ては実に巧み。そして恋愛ものの必須条件、美しいショットは数多く。

しっとりした作品のわりに音楽はちょっとハジけているなと思ったけど、それは時代背景を匂わすためのスパイスだったようで。ただエンドロールでしみじみソングを歌うのはきっちりあの男、もはやこの手の作品には定番なのか。グロリアの姉役で往年の名女優がちらっと。物語に合わせていろいろと想像力がふくらみ、このあたりのキャスティングはニクいなと思いました。

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