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日記一覧

気儘徒然句鑑賞五十二
2019年12月31日20:31

背信のじとっと濡れた靴を履く(筒井祥文) 筒井祥文川柳句集「座る祥文・立つ祥文」より。 背信と濡れた靴が心理的に近いので、句会に出句された句なら愚生の選には入れないだろう。 だがそれにしても、じめじめとした濡れた靴の心理的効果は侮りがたい。

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気儘徒然句鑑賞五十一
2019年12月30日20:55

見返りの坂から月へ昇る墓(筒井祥文) 筒井祥文川柳句集「座る祥文・立つ祥文」より。 昇るのは墓という奇想が句意なのだろうが、遺句集の中に置かれると昇るのは作者で、作者が己の墓を見下ろしているような読みの錯覚に陥る。だが、まあそれは置いておこ

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気儘徒然句鑑賞五十
2019年12月29日18:14

歌舞伎座の裏でばらけてしまう午後(筒井祥文) 筒井祥文川柳句集「座る祥文・立つ祥文」より。 歌舞伎鑑賞の後に、それじゃまたねと散会する歌舞伎愛好家の集まりと読める。ただそれでは、「ばらけてしまう」にある否定的なニュアンスは、歌舞伎鑑賞後の感

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気儘徒然句鑑賞四十九
2019年12月27日14:41

会議室から音のない空を見る(筒井祥文) 筒井祥文川柳句集「座る祥文・立つ祥文」より。 二句前に、「音の出るものを天神さんで買う」がある。両者を橋渡しして、「つくづくを繋ぐ駱駝のゆくゆくや」を置く。無味乾燥たる現代生活の活写が行われていると見

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気儘徒然句鑑賞四十八
2019年12月26日07:02

再会をしてもあなたはパーを出す(筒井祥文) 筒井祥文川柳句集「座る祥文・立つ祥文」より。 あなたと書いてあるが、あなたから作者に向かって言われた言葉ではなかろうか。とぼけつつ、わざと負けてやる人柄と思われる。パーは握手の始まりでもある。

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偶成六百七十三
2019年12月21日20:16

年の瀬や整形崩れ顔の列

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気儘徒然句鑑賞四十七
2019年12月18日22:15

窓の位置定まり馬はまた歩く(筒井祥文) 筒井祥文川柳句集「座る祥文・立つ祥文」より。馬の位置ではなく、窓の位置が定まるのは馬が静かに佇んだせいだろう。たまたまその位置を見ることができた作者の奇跡。 しかし、それはほんの僅かの出来事である。馬

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気儘徒然句鑑賞四十六
2019年12月16日07:37

水垢を水で洗えば佐渡おけさ(筒井祥文) 筒井祥文川柳句集「座る祥文・立つ祥文」より。 「豆を煮るに豆殻を以てす」を思い出すような構図。もっとも、哀切きわまりない故事に比べると、日常生活の面倒な些末事は笑える。水垢に汚れた風呂桶を洗いながら、

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気儘徒然句鑑賞四十五
2019年12月15日08:51

追伸のそれは見事なジャズである(筒井祥文) 筒井祥文川柳句集「座る祥文・立つ祥文」より。ジャズ、特にアドリブを意識しての句であろう。 追伸は何を書いても良い。本文と付かず離れずの関係を保ちつつ、その場で思いついたことを書いてゆく。うっかりす

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気儘徒然句鑑賞四十四
2019年12月14日08:15

月に手をゆらりと置けば母が来る(筒井祥文) 筒井祥文川柳句集「座る祥文・立つ祥文」より。彼には珍しい母物。思えば、家族については語らない人であった。であるから、生涯に母物一句鵙の贄、というような駄句までつい出てしまう。 月は何の比喩であろう

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気儘徒然句鑑賞四十三
2019年12月13日18:26

ボロボロになったものなら信じよう(筒井祥文) 筒井祥文川柳句集「座る祥文・立つ祥文」より。軽くジャブを放ったようなマニフェスト。軽いけれども揺らがない。ボロボロになるまであることが信頼につながる。信じてから起こす行動を、ちょっと見てみたい。

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気儘徒然句鑑賞四十二
2019年12月12日21:24

無い袖を入れた金庫がここにある(筒井祥文) 筒井祥文川柳句集「座る祥文・立つ祥文」より。一読、思いだした句が、「無い筈はないひきだしを持って来い」(西田當百)。 川柳では、句評の際に時事との絡みはよく話題にする。しかし、先行する句のことはあ

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偶成六百七十二
2019年12月11日07:31

バーORカフェ扉の違う冬景色武蔵気取る師走と大食戦有線に鵙の物真似箸休め

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忘却句再来
2019年12月08日07:41

 朝食時にふと思いついた句、食事を中断して句帳へ書き付けるかどうかを躊躇するうちに食事は終わり、食器を片付ける頃に忘れてしまった。よくあることである。 思い出すかどうかは運任せ。今回は食事手順を何度か反芻することで思い出せた。先ほど無事に記

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作業途上
2019年12月07日07:35

 昨日は、八時から五時半まで仕事。予定している作業量の半分が済んだ。残りは月曜日に回す。懸念となるのが日曜の句会。次の日を考えると適当に切り上げた方が次の日のためには良い。少し前までそんなことは気にもかけていなかったが、これも加齢現象だろう

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疑問解消
2019年12月05日08:13

 年明けに予定されている句会の兼題が「オイル」。 この題に関連して、長年の疑問を確かめてみるべく検索を少々行ってみた。疑問は愚生のものではなく、阿久悠のエッセイにあった古い流行歌の歌詞に由来する。 歌は「雨のオランダ坂」https://www.youtube.

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偶成六百七十一
2019年12月04日09:47

彼方から八木節聞こえ来る霜夜

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胸突八丁
2019年12月02日21:27

 今日明日が山場。明日を越えると、仕事が少し楽になる。  高階から人の豆粒見ておればまばらの傘に冬の雨止む

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午前清掃午後句会
2019年12月01日23:21

 自治会の申し合わせで、公園の清掃が午前中にあった。そろそろ冬枯れの雑草でも毟ってゆくと、ゴミ袋が一杯になる。かがんだ姿勢が取りにくく、体力はかなり消耗する。 清掃が終わって、大阪の句会に出かけるべく電車に飛び乗った。そこまでは良かったが、

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