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2019年12月16日07:37

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気儘徒然句鑑賞四十六

水垢を水で洗えば佐渡おけさ(筒井祥文)
 筒井祥文川柳句集「座る祥文・立つ祥文」より。
 「豆を煮るに豆殻を以てす」を思い出すような構図。もっとも、哀切きわまりない故事に比べると、日常生活の面倒な些末事は笑える。水垢に汚れた風呂桶を洗いながら、桶からの連想で佐渡おけさが頭の中で鳴りだした、というようなところではある。
 佐渡おけさが出てくるあたりに祥文の素養がほの見え、煩さ方を多く従えながら一座を率いたかつての彼の貫禄が滲み出る。

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