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日記一覧

「ねえ、どうして、私がこんな格好しているか分かる」 ミニの足を組み替え、まるで筆者の視線を楽しむかのようにしながら彼女は言った。「好きだから」「あなたバカなの。いえ、完全にバカよね。こんなところまで来て、そんなどうでもいい質問を私がすると考

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「せめて、アイさんということで許してもらえますか。確かに、こうして見ているかぎり、少しいかれた現代の女の子のようにも見えるのですが、内情は知ってしまっているわけですから」「少しいかれたって、なーに、私のファッションセンスに不満でもあるという

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「おこんばんは」 窓の外で声がした。筆者の部屋は二階である。嫌な予感しかしない。筆者のことを知る人は、もう、すでに説明する必要もないと思うが、筆者は日本予知理事会の会長を務めるほどの予知能力者なのだ。しかし、嫌な予感しか予知能力は発揮しない

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 新しい企画をはじめたばかりなのに、どうしても、と、強制的に乱入者があり、この方が、ものすごく怖いので、急遽、企画が変わります。 隠し事の部屋は、緊急企画の後、再開します。

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 筆者がSМ風俗に関わるようになり、ほんの数年もしない内にSМの世界は変わって行った。もう時効だから言っていいような気がするが、筆者が最初に関わった頃のSМと言えば、男はもちろん、女の年齢もかなり上だった。もしかしたら筆者があまりにも若かっ

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 駅前からタクシーに乗り、指定された公園の名前を告げると、タクシーは少し不機嫌そうに返事をして走り始めた。日本はバブルの前夜だった。タクシーは中距離、長距離のお客をいくらでも拾えた。そんな時代だったのだ。そんな時代に駅前からタクシーでツーメ

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 筆者は建物が好きだ。別に、立派な建物が好きなわけではない。お城が好きとか神社仏閣が好きとか、そうしたことではないのだ。古い洋館などは、わざわざ出かけて行って観たりするのだが、それでさえ、筆者が見ているものは建築物ではないように思う。つまり

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 筆者は子供の頃から、あまり眠らない子供だったらしく、学生の頃から勉強は深夜にしかしなかったし、仕事をするようになってからも、ほとんど深夜にしか仕事をしていなかった。今も、仕事のほとんどは深夜になる。 そこで、こんな企画はどうだろうか「あの

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 長くエロ雑誌にかかわりながら、男性のその部分については、あまり書いて来なかった。それはそうだ。エロ雑誌を買ってくれるお客さんは、そんなモノの詳細について読みたくはないのだから。だからといって、そうした趣向のお客さんに向けて書けるかと言えば

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 筆者は、企画を考えたとき、必ず仮のタイトルを付けるようにしている。タイトルを付けることによって企画の意図が明確になるし、タイトルを付けたことによって、そのときには思い付いていなかったことも思いついたりするからなのだ。ところが、そうした習慣

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 喫茶店の窓に向けられたカウンター席。隣の女が何かを描いている。テーブルの上にあるのはケント紙に見える。鉛筆を右手に消しゴムを左手に持ったままで何かを描いている。描きながら消し、消しながら描く。器用だ。描いているものは抽象画に見えた。全体が

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 この仕事をしなければ、そう思えば思うほど、他の仕事がしたくなる。これは人間の習性なのか、あるいは筆者の悪癖なのか分からない。子供の頃、夏休みの宿題をやらなければいけないところで受験勉強をはじめたりした。同じ勉強なら宿題をやればいいのに、急

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 今回の企画は、もう少し面白い話になるかと思ったのだが、意外と盛り上がらなかった。そうしたこともあるものだ。さて、この盛り上がらなかった後に何の企画を持って来るか、これはけっこう難問になるのだ。こういうときは、いっそ、落ち込みついでに、どこ

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十一月書き方課題小説
2018年10月17日16:24

 透明なビニールが私を抱きかかえるように迎えてくれた。ふわりと柔らかい。数時間前に抱いた極上の女の肌よりもそれは温かいように感じられた。温かいはずはないのだが、そう感じられたのだ。 ビニールに後頭部をつけて夜空を見上げる。ビルの向こうにも大

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 音楽雑誌の仕事をしていた頃の話だ。筆者は仙台のライブハウスで人気のバンドの取材をしていた。ジャズバンドということで、そのバンドが売れることはないな、と、そう思いながら、まずは演奏を聴いた。もちろん、音楽雑誌の編集などしながら、筆者には音楽

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 新潟のマニア風俗取材でのことだった。筆者は、あるSМクラブに行くのに、いつものように駅そばの喫茶店で時間調整をしていた。すると、若い男がドアから入って来て筆者を見つけると、ニコニコとしながら近づいて来た。「あれ、取材でしたっけ。何時から」

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 噂だった。おそらくは根も葉もない噂だった。 オシッコを子供に見せるカップルがいるというのだ。噂では、主にオシッコを見せるのは女で、たまに、女にオシッコを飲ませたりするのに、男もオシッコを見せることもあると言うものだった。白昼の公園で、それ

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 牢獄と呼ばれていた家があった。窓という窓の外側に鉄格子があったのだ。その家は高い塀に囲まれた大きな敷地の中にあった。一軒家にしては大きく、まだ昭和の中頃のこととはいえ、都会においては贅沢な造りだった。ゆえに、その家のことを大人たちは、防犯

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 長くエロ本を作って来たが、筆者にはいくつかの信念があった。まず、モデルと特別な関係にならない。モデルと肉体関係にならないというのはエロ本という特性から無理なのだ。せめて精神をともなうような関係にはならない、と、そう決めていた。さらに、取材

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 ガメラが深夜に静かに飛び立って行った。騒々しい頑固親爺のような怪獣だったが、それだけに、彼が帰ってポツンと部屋に取り残されると、妙に寂しい気分になった。 子供の頃、子供のおやつを横取りするお爺さんがいたのを思い出した。誰のお爺さんだったか

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「考えたことあるかよ。怪獣保護法でよ。オレは南極に居住出来るようになった。あのコウモリヤロウは北極よ。オレたちを離しておけば安全と考えたのだろうよ。地球人の愚かな知恵よ。オレたちは宇宙生命だぜ。その気になりゃ大気圏外れて南極も北極もすぐって

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書き方講座課題小説
2018年10月11日01:46

 満腹だがデザートは別だ。まだ、入りそうだ。それと言うのも、生のフルーツが細かく砕かれたものがシャーベットの中に無数に含まれたデザートは、彩もよく、何とも美味しそうなのだ。さっそく、デザートスプーンを手に取ろうとしたところで私は気づいた。先

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「なんだか、酔いも目もすっかり醒めちまったなあ。まあ、いいか。お茶を頼むよ。世話かけるな。今度、お土産をはずむからよお。許してやってくれ」「気にしないでください。お茶ぐらい、いくらでも出しますから」「お茶はいいよな。オレはお茶も趣味なんだよ

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「布団。バカ言うってるんじゃねえってえのよ。どこに布団敷いて、どこに布団を掛けようって言うのよ。甲羅の上かよ。寒さなんて感じねえよ」「ああ」「ロボットだからじゃねえぞ。まあ、地球で言うところのカメのようなものだからな。別に、ベランダでもいい

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「皆仲良くしましょうってよお。そんなのは無理ってもんだろう。互いに意見があり、主張があり、意地があるもんだろう。意地を通したいが情にもろくてそれをさせない。そんなものが日本人のいいところだったんじゃあないのかねえ。意見を述べれば責任が出る。

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「お酒を持って来ましょうか。そこまでいいお酒はありませんが、まだ、別のものが冷蔵庫にありますよ」「いや、酒ってえのは、ほどほどがいいのよ。そういやあ、最近の日本人はほどほどのケンカが出来ねえな」「ケンカにほどほどって面白いですねえ」「オレと

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「怪獣っていや、そりゃ、地球人から見りゃ、オレらは怪獣だわな。地球人の常識からすりゃよお。食べれば食べるほど巨大化出来る生命が分からないだろうしな。食べなきゃ、小さくなるというのは、もっと分からないよな。何しろ、痩せるなんてレベルじゃねえか

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「漬物がありますよ。いい糠漬けなんですよ」「そりゃいいねえ。出してくれのかい。悪いねえ。今度は、もっとたくさんサプリメントを持って来てやるよ」「サプリメントはいくらでも作れるから、と」「違うって。ビジネスでかかわってるんだよ。天下無敵のガメ

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十月の書き方課題小説
2018年10月03日01:01

「大きい、普通、普通、普通、小さい、普通、大きい、包茎ひどい」 トイレから帰ると同じ受け付けの南田みどりが右手に銀製の小さなデザートスプーンを持ちながら、上下にそれを振って一人で何かをつぶやいていた。一流企業とは言えないが、それなりに名のあ

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 ガメラに冷えた日本酒をグラスで出すと、それをたいそう喜んだ。日本酒は常温だと言う酒飲みは少なくないが、そのあたりの感覚は筆者と合いそうな気がした。ただ、顔が顔だけに、酒を飲んでほんのり頬を赤く染めるというのには期待出来そうにない。その上、

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