mixiユーザー(id:2615005)

2026年06月18日06:26

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「用心棒日月抄」

・用心棒日月抄(78)作:藤沢周平
青江又八郎は陰謀に巻き込まれて上役を斬ってしまい、脱藩した。江戸で用心棒稼業をやる一方、本国からの刺客を撃退する。
十篇から成る連作集だ。背景に赤穂浪士討ち入りが控える。主題ではなく時代の点景として忠臣蔵が使われるのは珍しい。主人公は直接に関わらないが、浪士たちに好意的だ。私は大嫌いである。逆恨みテロリストの凶行を道徳基盤にするなんて、正気の沙汰とは思えない。一方的に斬られた吉良がなぜ悪者なんだ。被害者を悪者呼ばわりして、加害者を絶讚する。日本的な暗い歪んだ認識が、現在のイジメやセクハラ蔓延に繋がっている。まるで呪いだな。

個々の事件は、変化に富んでそれなりに面白い。
疑問なのは、主人公がいつも金に困っていること。成功報酬で毎回二両三両を受け取っている。それだけあれば一年は食って行けるのでは。
哀れな娼婦の仇討をする「夜鷹斬り」が気に入った。最終章は本国に戻ってハッピーエンド。スッキリするが、深みがない。☆☆☆
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