「未来少年コナン」(78) 全26話
岡田斗司夫が、絶対に見るべきアニメとして次の三作を挙げた。「機動戦士ガンダム」「ガンバの冒険」そして「未来少年コナン」だ。この人の話は感心するのと首を傾げるのが半々だが、鑑賞眼は確かだと思う。いずれも文句無しの傑作だ。最初の二作は内容を暗記するほど見たが、コナンは完全には把握していない。オタクとして恥ずかしいので、ブルーレイで全話鑑賞した。
史上初のNHKアニメで、宮崎駿がすべて製作した唯一のTVアニメだ。作画も作劇も素晴らしい。50年近く前の作品とは思えない。王道少年アニメの金字塔だ。
コナンの超人的な活躍に唖然とする。脅威の肺活量や反射神経に加えて、足の指が手と同じくらい器用だ。そんなアホなと呟きながらも、陽性のパワーに押しきられる。ラナは正統派ヒロインで、オタク媚び皆無なのが清々しい。子供の純粋さに対して、大半の大人は陰険で姑息なくせに無能だ。ダイス船長は裏切りと改心を繰り返す。鬼太郎のねずみ男みたいだ。このキャラが不快にならないのは脚本の力だ。
機帆船バラクーダ号やロボノイドなどローテクメカが楽しい。巨大爆撃機ギガンドをコナンたちが徒手空拳で撃墜するクライマックスは圧巻である。
原案の児童SFは冷戦を背景にしており、アメリカ人の少年がソ連を思わせるインダストリアと戦う話で、宮崎駿が嫌がり、大幅な改編を条件に引き受けたそうだ。アニメの民族や主義を一切語らない潔さに比べると、滅びた世界でもソ連を悪役にしたがるなんて志が低すぎる。アニメを見る限りインダストリアはむしろアメリカの軍部を思わせるし、ハイハーバーの共同生活が理想的共産社会に見える。「働かざる者食うべからず」はソ連の標語じゃなかったかな。まあこの原作は読まなくていい。
★★★★★
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