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2025年03月20日22:15

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眠狂四郎『殺法帖』と『勝負』

『眠狂四郎 殺法帖』(63) 監督:田中徳三
市川雷蔵主演の「眠狂四郎」第1作だ。12本もあるので、「俺も酔狂だなあ」と自嘲的な気分だったが、見始めて五分で吹っ飛んだ。めちゃくちゃ好みだった。

主役の市川雷蔵が水もしたたる色男だ。普段は美女が好きで美男には興味ない。普通のオッサンは皆そうだろう。だがこのシリーズの市川は性癖を揺さぶるほどの魅力を発散する。本作ではあまり暗い影はない。常磐津師匠の家に居候していて、柳橋の芸者も押し掛けてくる。ニヒルどころかリア充だ。

加賀藩は抜け荷で儲けていたが、大商人銭屋を利用してから抹殺した。だが生き残りの銭屋一派は、藩に復讐を企む。証拠品のエメラルド仏を巡って二つの勢力が争う。狂四郎は巻き込まれて双方から襲い来る刺客たちを斬りまくる。私の大好きな三つ巴の戦いが華々しく盛り上がる。宝石仏は実在するタイの国宝がモデルだろう。
男たちの都合に翻弄される女・千佐(中村玉緒)が最後に逆襲するのが小気味いい。抜け荷一味の陳孫は拳法の達人で、狂四郎に素手で挑む。ハードボイルド風味でかっこいい。演じる城健三郎は、若山富三郎の別名。
好きな要素が山盛りの傑作だ。映像特典に当時のファンの集いが収録されている。★★★★★

『眠狂四郎 勝負』(63) 監督:三隅研二
第2作。勘定奉行の朝比奈(加藤嘉)は倹約政策のため、利権を貪る一派から命を狙われる。狂四郎は庶民感覚を持つ朝比奈を気に入って、成り行きで護衛することになった。権力側に善人が出てきたり、狂四郎が好意を見せたり、シバレンの原作よりレトロ時代劇寄りだ。
本作の見所は美人女優の共演である。わがままな高姫に久保田奈穂子。配下のクールビューティー采女に藤村志保。庶民の美少女に高田美和。モテモテ雷蔵が楽しい。ハーレムものはご都合主義が鼻につくことが多いが、ここまでいい男だと納得せざるを得ない。五人の腕利きが次々に挑んでくる展開が熱い。★★★★
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