『妖怪百物語』(1968) 監督:安田公義
劇場で観ている。「ガメラ対バイラス」と同時上映だった。悪徳商人・但馬屋が代官と癒着して長屋を潰しにかかる。手先となる乱暴者に吉田義夫。長屋の住民を助ける浪人に藤巻潤。ダブルヒロインの清純枠が高田美和、やや蓮っ葉な姐さんが坪内ミキ子。大映スターたちが充実しているが、本作の主役は何と言っても妖怪たちだ。
社を壊された妖怪たちが悪人どもを成敗する。のっぺらぼうや大首に追い詰められ、悪者は無惨な最後を遂げる。血生臭い展開の中で、但馬屋のオツムの足りない息子・新吉(ルーキー新一)が唐傘お化けと遊ぶシーンが微笑ましくて救いとなる。落書きが動き出して実体化する特撮は出色の出来だ。
話中話としての百物語には土転びと置いてけ堀が登場する。ろくろ首の毛利郁子が色っぽい。
ラストシーンは悪人の棺桶を掲げた妖怪たちの行進だ。この百鬼夜行は不気味というより愛嬌いっぱいで可愛らしい。宙を飛んだりとんぼ返りしたり、この世のものならぬ雰囲気がこたえられない。伝統的な妖怪を時代劇に落とし込んだ傑作である。
★★★★★
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