mixiユーザー(id:2615005)

2025年03月15日23:09

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「波の音が消えるまで」

・波の音が消えるまで(2014) 作:沢木耕太郎
文庫全三巻をあっという間に読んだ。この人の小説は初めてだ。文章がとにかく読みやすく、すんなり頭に入る。リーダービリティは抜群である。

元サーファーの航平は、バリ島の帰りに立ち寄ったマカオでギャンブルの沼に嵌まる。パカラだ。カジノは何度も行ってるが、やったことはない。参加者はバンカーかプレイヤーに賭ける。カードの合計が9なら最強。ブラックジャックと違って、「もう1枚引くか止まるか」の選択肢はない。最初の2枚のあと追加するかどうか、ルールで決まっている。客に出来ることは、どちらかに賭けるだけ。どこが面白いのか理解に苦しむ。大小にだってもっと戦略があるぞ。単純だから純粋な博打だそうな。物は言い様ですな。

作者は人物を魅力的に描くのが上手い。謎めいた老人・劉と娼婦の李蘭と関わり、底なし沼に沈んでいく主人公の姿に一喜一憂しながら、どんどん読めてしまう。
単に博打に嵌まるだけの話なのに、登場人物の過去が全員ドラマティックで、ストーリーは起伏が急流下りのように激烈だ。劇画的というか、作りすぎでやや鼻白む。退屈するよりましだけど。
終盤の展開は小説として破綻している。破綻も含めて本作のテーマだと言われればそうかもしれないが。
読んでいる間は夢中になれたので、星4個で。★★★★
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