京極夏彦作品をまとめ読みしている。分厚さに怯んで手が出しにくいけど、読み始めるとあっという間だ。
・書楼弔堂 霜夜
四部作の最終巻だ。明治時代の本や書店の成立が語られる。事件は起こらない。淡々と日常と当時のうんちくを語るだけだが、興味深く読んだ。
版木を彫っていた職人が活字作りに取り組む。目立たない構えながら万巻の品揃えを誇る弔堂の主人は、本は墓場で自分は墓守りだと語る。読まれることによって作者が幽霊として現れるのだと。納得すると言うより、言いくるめられる。京極節が気持ちいい。
活字に続いて紙・物流・収集・コピーとオリジナルなどが出版業黎明期を背景に解説される。興味のあるテーマでも、学術解説書ではとても読み通せない。小説なのですんなり読めてしまう。夏目漱石や金田一京助などの有名人も登場する。タイプは全く異なるが、ちょっと山田風太郎の明治小説を思わせる。
愛書家にはお薦め。本に興味ない人は止めたほうがいい。と言うか、読書が習慣付いていない人は本書を手にすることはないだろう。★★★★
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