日本の観光地で外国人観光客から高い料金を取る二重価格が設定されるそうだ。たぶん定着するだろう。
実はこれは途上国では当たり前の習慣なのだ。
「遊びで外国に来るあんたらはカネもってるだろ。貧乏な我が国のために余分に払いなさい」と言うことだ。理にかなった言い分だと思う。抵抗は感じない。
頻繁に訪れるバンコクやアユタヤでもタイ人無料・外国人有料の遺跡や有名寺院は存在する。遺跡保存にも金がかかるし、外国人に負担させるのは当然だ。
それはいい。でも日本人は数十年に渡って「遊びに出かける金持ち国」の立場だったのに、ついに「遊びに来られる貧乏国」になったんだな。「おもてなし」などという急造語で誤魔化さず、貧乏になったという事実はしっかり自覚しておいたほうがいい。
二重価格で思い出すのは、昔の中国の汽車運賃だ。中国人より外国人のほうが高かった。旅行作家の蔵前仁一が「そんな理不尽は納得できない」と地元人に成りすまして安く上げる話を書いていた。好きな作家ではあったが、これは駄目だろう。不正であり先方の国内法に触れる犯罪、要するにキセル乗車だ。何が下劣といって犯罪自慢ほど下劣なことはない。
70ー80年代に書かれた旅行記の多くは、どこかに「金持ち国から来た」余裕または驕りが感じられる。海外旅行者が激減し、日々の生活に追われる日本人は、金持ち観光客を受け入れる側になったのだ。感無量である。
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