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2023年07月03日21:57

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『二等兵物語』『大日本帝国』

日本の戦争映画レビュー。
『二等兵物語』(1955) 監督:福田晴一
伴淳三郎と花菱アチャコが主演するシリーズは大ヒットして十作も作られた。本作は一本目だ。
伴が将校の愛人宅に使い走りさせられたり、他に身寄りのいないアチャコの息子を兵営にかくまったり、喜劇と呼ぶには笑えない展開が連続する。もちろん軍隊いじめは間断なく続く。主演は喜劇役者で、誰も死なないから明るいタッチではあるが、容赦ない反戦映画だ。

終戦後に物資をパクろうとする上官たちに、伴が切れて怒鳴り付ける。最後にすっきりさせてくれたけど、それまでが長すぎる。★★

『大日本帝国』(1982) 監督:舛田利雄
右からは左だと非難され、左からは右だと叩かれたそうだ。丹波哲郎が東条英機を演じている。ある意味気の毒な役を押し付けられた人だと言うことはわかったが、それで狂った指導が免罪されるわけではない。

シンガポール攻略は勝ち戦だが、描写は凄惨で快勝という気はしない。佐藤充がいるのが嬉しい。
夏目雅子が日本人とフィリピン人の二役で美しい姿を見せてくれる。敗走する日本軍は、情報秘匿のため現地人を虐殺する。加害者としての日本人を描くのは珍しい。

もうひとつの特色は、天皇の責任を問うセリフだ。
「天子様の命令で戦争してるのに、なぜ戦場で指揮なさらんのか」
戦犯として銃殺される篠田三郎のセリフ、「天皇陛下、お先に参ります」。貴方に従って死んでいく。責任者である貴方も、当然死ぬ覚悟ですよね。先に行って待ってます。なんと言う強烈な皮肉か。

本作の本質はリベラルな反戦映画だ。東条を人間的に描いたから右翼という非難は、あまりに皮相的だ。★★★★
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