もう一冊クイーン。バンコクで買って、その日のうちに読んだ。
「フォックス家の殺人」(45)
二次大戦の英雄デイヴィー・フオックスは故郷に帰って来た。待ち受けていた新妻との新生活が始まるはずだったが、戦争のトラウマに加えて過去の両親を襲った運命が心の傷となり、妻を殺したい衝動に襲われる。エラリーは十二年前の殺人事件の謎に挑む。
架空の小都市ライツヴィルを舞台としたシリーズの第二作だ。閉鎖的な街の雰囲気が味わい深い。「本格推理は人間を描けない」とよく言われるが、それは亜流の二線級作家に言えることで、本家源流に近いクイーン先生は、しっかり文学としての完成度が高い作をものしているんだな。英雄を取り巻く些細な悪意が、実にありがちでナチュラルだ。
女好きで自己中な薬剤師とトラブルをまき散らすお喋り老嬢が強い印象を残す。
真相の意外さに感嘆した。エラリーの最後の独り言が痛快きわまりない。いやああ、面白いな。後期作品をもっと読むことにした。★★★★★
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