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2021年04月24日16:00

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「椿の庭」〜日本の美、極まれり

庭には季節の移ろいを感じる数々の草木、その向こうにひろがるのは葉山の海岸。古びた日本家屋に孫娘の渚(シム・ウンギョン)とふたりで住む絹子(富司純子)は、娘の陶子(鈴木京香)から亡き夫の遺産整理のために思い出の詰まった家屋を手放すよう迫られる…。これまで数多くの広告写真を撮ってきたフォトグラファー上田義彦が初監督。

これぞ写真家が撮った映像作品。四季折々の草花だけでなく、風や光や空や雲…自然美をとらえたワンショットすべてがまさに写真集のページをめくるように美しい。そして美しいといえば身支度をする絹子が和服の着付けにいそしむ所作、まったくムダのない動きはさすが日本を代表するベテラン女優の手慣れたアクションというところだろうか。

ただ物語としての面白さからはやや離れ、ストーリーを追う楽しみはあまり感じられなかったような。極力シンプルなセリフ回しと静寂の続くショット、ラスト30分にはここでエンドマークかというシーンがいくつも重なった感があり、全体的に間延びした印象はぬぐえなかった。まあ行間を読むのもまた日本文化のひとつかもしれないけど。

シム・ウンギョンだけでなく、台湾のチャン・チェンも顔を出しているところから、日本の美を海外に向けてPRするためには格好の素材となるかも。アジア人俳優ってふだんからこういう日本映画に出てみたいと思っているような気もするし。ただそのためにも全体の尺をもう少し短くしたほうがいいのではと思った次第です。
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