昨日「人生はシネマティック!」を観たら無性に再見したくなったので、DVDを引っ張り出してしまいました。
ジョン・ブアマン監督の自伝的作品「戦場の小さな天使たち」。ドイツ軍の空襲の脅威にさらされたロンドンを舞台にした、1987年の作品です。
それにしてもこの邦題はヒドいですね。この映画、確かに子供が主役ですけど、どいつもこいつもとんでもないワルガキばっかなんですから。「天使」なんか出てきやしませんって。
何しろ主人公のビリー少年と妹のスージーからして「覗き」が大好き。16歳の姉が恋人とセックスに励んでるのを覗き見して、たぶん5〜6歳くらいのスージーちゃん、こんな凄い台詞を吐きます。
「あの人ヘタクソね。何回も体位を変えるんだから。パパとママの時は、パパが上でママが下って決まってたわ」。
ビリーの周囲にいる仲間も、とんでもないのばかり。
ドイツ軍の爆撃で廃墟になった屋敷を根城にして、半壊した家にもぐりこんでは焼け残った家財道具を盗んで宝物にしたり、窓ガラスを叩き割ったりするんですから。
しかもこの少年グループに入るには「汚い言葉」を言わなければならないという珍妙な掟があるのですね。
で、ビリーが言った言葉は「ファック」。
これにはさしものワルガキどもも感心。リーダーには「その言葉、めったなことでは使うんじゃないぞ」と釘を刺されてしまいます。このシーンには笑ったなあ。
大人たちの世界にも、不倫だの駆け落ちだの妊娠だのといった事件が続出。戦時下だというのに、人間なんてやることは平時と大して変わりがないのですね。
ちょっとダークだけれど、輝かしくも微笑ましいボーイズ・ライフ。愚かしくも愛おしい、人間たちの営みを描いた秀作です。
そうそう、この映画、ラストが強烈なんですよ。例のワルガキ集団のリーダーが傑作な台詞を吐いて、見事なオチをつけてくれるのです!
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