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2017年01月19日23:15

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キャプテン・フューチャー短編集と外伝とイラスト集

創元文庫から出ている残りのフューチャー本を二冊と鶴田謙二のイラスト集をレビューします。

・鉄の神経お許しを 他全短編(1950〜51) 作:エドモンド・ハミルトン
全集の11冊目は、短編集とフューチャー誌に掲載されたコラムだ。これですべてのフューチャーを読破したことになる。まとまった本で全作品を読めるのは、日本語だけだ。ネイティヴに生まれて良かった。この好企画をやりとげた創元社に心から感謝したい。

短編の中で出色なのは表題作だが、他のところで何度も読んでいる。それ以外の六篇は、どれもフューチャーと思えないほど暗い。ハミルトンの初期短編を思わせる。『太陽の子供たち』と『もう地球人では・・・』は陰鬱で虚無感が漂う。『<物質生成の場>の秘密』はフューチャー版「フェッセンデンの宇宙」だ。ハミルトンのもうひとつの作風が前面に出ている。
コラム集には主要キャラの来歴とか、オットーとグラッグがペットを手に入れたいきさつが紹介されている。ファンにとっては嬉しいプレゼントだ。番外編「カメレオン追跡」は、いかにも50年代ぽいストーリーながら、楽しかった。単独で勧められる本ではないが、資料的価値は計り知れない。★★★★

・風前の灯!冥王星ドーム都市(83)作:野田昌宏
長編二十作を翻訳し、日本にフューチャーを紹介してくれた功労者・野田大元帥の筆による番外編である。冥王星の発電所がミイラ人間に襲われる。悪くはないが、ストーリーの疾走感は本編に遠く及ばない。宿敵ウル・クォルンが登場するも、新ボスにコキ使われていて冴えない。本編最終作と似た展開である。
ヌララとジョオンの女同士の確執にはニヤリとさせられる。決着のつけかたは、いかにも江戸前の講談を愛する野田さんらしい。正直に言うと、この人は翻訳家やプロデューサーとしては一流だが、作家としてはそれほどのものではない。が、フューチャーとの別れを惜しむファンのために、日本における第一人者が遺族の了承を得て書いてくれたのだ。低い点はつけられない。
カバー折り返しに、ジョオンとヌララが野田さんに絡んでいるイラストが載っている。この絵を眺めるためだけに買う価値はある。★★★

・FUTURE(2011)作:鶴田謙二
創元文庫版の「キャプテン・フューチャー」イラストを収録した画集である。今風でかっこいいイラストを美しい大型本で見られるのは、非常にありがたい。
この人のイラストで目を引くのは、女性キャラのエロさである。エロ味の片りんもない「フューチャー」なのに、なぜかジョオンが肌を露出する。ボディスーツ姿の時は、乳首がくっきり突出している。エロい表紙で読者を釣るのはスペオペの伝統だから、これでいいのかな。
あまつさえ見開きページで全裸を披露する。けしからん。嬉しいけど。
4ページのフルカラー漫画が楽しい。うーーん、やむをえず最高点で。★★★★★
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