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2016年09月05日22:55

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「君の名は。」再見

 今日、「君の名は。」再見してきました。

 初見でとても感心した作品ですが、二度観ると「あれ?」と思う箇所が二つありました。

 まず、主人公の瀧と三葉に出会う必然性が設定されてないこと。
 二人の心と体がなぜ、入れ替わったのか? しかも時間という障壁を越えてまで、なぜ、そうならねばならなかったのか? そこのところがなぜか、ぼやかされてしまってるんですね。
 入れ替わりという現象を起こす素養が三葉にはあったようですが、では、なぜ、その相手が瀧でなければならなかったのでしょう?
 瀧と三葉の間に何らかの共通点や共有している願望や心情のようなものがあれば納得できるのですが、作品を見ている限りではそういうものはなかったですね。
 そういう点で、この脚本はやや詰めが甘いように思います。

 もう一つは、何度も入れ替わりを繰り返し、三葉の住環境に馴染みつつあった瀧が、なぜ、そこが「あの出来事」の場所だと一度も気づかなかったのか、ということ。
 彼が三葉でいる間、何度もそれに気づく機会があったのにどういうわけか、そうはならないんですよ。しかも、「気づくか?」と思った瞬間に元の瀧に戻ったりして。
 おそらく、作り手もそこのところは大いに気にしてたんでしょうが、ちょっとズルい作りだなあ、という気がします。


 とは言うものの、本作が極めて優れたファンタジー作品であると同時に、素晴らしい「鎮魂」の物語であることに変わりはありません。
 あの「3・11」で亡くなった方々に「生きていてほしかった」と、あの世に向かって告げているかのような優しくも厳粛な作風に、思わず背筋が伸びる思いでした。
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