mixiユーザー(id:2615005)

2016年07月23日23:46

285 view

「どうしてこうなった」/五木寛之『隠された日本』

「どうしてこうなった」から。上半身アップの多いPVだ。
フォトフォト
ゆるふわパステルちゃんで。
フォトフォト
みくりすたるちゃん。             全裸に見えます。

五木寛之は世代的にド真ん中の流行作家だ。対抗馬とされる野坂昭如が大好きで、デビューから十年以内の作品はすべて読んでいる。クールでスタイリッシュな五木と野卑で偽悪的な野坂は好対照だった。昔は無意味に人気者ふたりを並ばせて「あなたはどちら派?」というのが流行っていた。「酒井和歌子と内藤洋子」みたいなものだ。別に両方好きでもいいと思うが、なんとなく「俺は断然野坂派だ」みたいに思っていたせいか、小説は一作も読んでいない。普通小説よりミステリやSFのほうが好きだったし。たまたま手にしたエッセイ紀行が面白かったので、何作か読んでみます。

・サンカの民と被差別の世界(中国・関東)
表に出る「日本正史」以外の歴史が存在する。抹消された人々の生活や文化を丹念に拾い上げていく。士農工商という身分制度は誰でも知っているが、じゃあ漁民は?というと、「平民以下賤民以上」という微妙な身分だったらしい。初めて聞く話で興味深い。
私が子供のころには水上生活者がまだ存在していた。川崎のぼる「アニマル1」の主人公が、たしかそこの出身だったはずだ。被差別部落ほどではなくても、教育格差も差別もあったらしい。さりげなく主役に水上生活者を持ってくるなんて、昭和の漫画家は見識があるな。

サンカや浅草の話は知っていることが多い。ただ、「東京には部落も差別もない」と断言する人がいるという話に驚いた。実は大学時代に関東人の同級生が同じことを言ってたのを思い出す。論理的に考えて、そんなわけないのだ。関東にも皮革業は存在するし、、牛馬の処理も誰かがやらねばならない。そういうことを説明してやっても「いや、関東にはいない」の一点張りだった。無知と偏見につける薬なし、か。
テーマが多岐にわたりすぎて突っ込みが浅い気もするが、とても読みやすい文章で勉強になる。★★★★

・わが引揚港からニライカナイへ(博多・沖縄)
「語られざる歴史を発掘しよう」という筆者の姿勢には大いに賛同したい。
本書は敗戦後大量の引揚者が上陸した博多港の話から始まる。日本政府の無責任ぶりは今も昔も同じで、外国で敗戦国民となった一般人には、いっさいフォローなし。引揚の苦難はいろいろな人が書いているが、博多で大規模な堕胎手術が行われたという記述に驚いた。
いうまでもなく、逃避中に強姦された結果だ。性に閉鎖的だった当時の日本で、当事者たちがどれほど苦しんだか想像に難くない。軍国日本の勇ましい話ばかり吹く方々には、この事実をつきつけてやりたい。
あと「識詩率」に感心した。中央アジアには即興で詩を吟ずる文化があり、読み書きできない人でもできるらしい。文化にもいろいろな形態があるものだ。★★★★
1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2016年07月>
日 月 火 水 木 金 土
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31