止まり木

我が家の狭い畑には、榊の木が一株生えていた。

その木に蟻やらの虫がついて、一部の葉が枯れかけていた。

そこで、思い切って、根本と地面から生えている細くて若い枝を除いて、切り倒した。

でも、切り取った木は固くて立派で、丁度良い長さと形をしていた。

切り取った木の長さは107センチ、根本の部分の太さは3.4センチ、先端部分の太さは0.8センチ。

捨てるのがもったいなく思ったので、余分な枝を切り落とし、皮を剥いて、綺麗に洗った。

洗う前に匂いをかいでみたら、スイカの皮の白い部分のような、良い匂いがした。

これを時間をかけて乾燥させ、グラインダーで形を整え、ヤスリをかければ完璧だ。

これは良い。

え？　何に良いかって？

それは・・・・いずれ迎えるであろう新しい命のために、籠の中か部屋のどこかに据え付けて、遊び用の止まり木として、丁度良いのではないかと思うんです。

化学肥料も塗料も用いていない天然木ですから。

まだ生まれていない新しい君よ、君が生まれる頃には完成しているから、待っていてくれ給え。

他にも色々と、遊具や巣箱などの良い物を作って調えよう。

齧ってボロボロになったら、また新しいのを作れば良い。

廃材は遊具に作り替えれば良い。

材料には困らない。

我が家の周囲は緑が豊富だ。

枯れ木も多くあるし、知り合いに大工がいるので、端材を分けてもらえば良い。

それを材料にすれば良い。

そして、この世を去ったちびたちよ、私がこうする事を許してくれ給え。

お前たちの事は、決して忘れないから。