ひいき作家はほぼ読みつくしたので、初読み作家を二人。
・キング&クイーン 作・柳広司
ジョーカーシリーズで有名な作家だ。BJさんのお勧めなれど、旧軍のスパイが主人公ということで、どうも気が進まない。昔の日本軍と今のアメリカ軍が大嫌いなもので。
で、本作を読むことにした。チェスの天才をもとSPの女がガードする。チェスの世界に関するうんちくは初めて聞く話ばかりで、興味深く読ませてもらった。日本以外の国でこんなにメジャーな競技だとは知らなかった。ストーリーも途中までは面白いのだが、終盤にヘタヘタと腰砕けになる。壮大な陰謀に結びつくのかと思ったら、尻つぼみもいいとこだ。とは言えキャラクターが個性的で、描写もなかなかいい。★★★
・澪つくし 作・明野照葉
不思議な味わいの短編集である。八篇すべて人の死にまつわる話だ。
分類すればホラーになるのだろうが、そういう安直な呼び方をしたくない感じだ。文芸的な怪談とでもいうのか。
『かっぱタクシー』『ジェリーフィッシュ』『彼岸橋』『雨女』などがよかった。独特の薄気味悪さに妙な味わいがある。どの話にも明確な結末(オチ)がない。あちらとこちらの世界が接触する瞬間を、さっと呈示してみせる。ユニークな作風ではあるが、好みの分かれるところだ。
二冊目を読みたいか?と聞かれると、悩むなあ。筆力の凄さは認めるが、私はもう少し輪郭のくっきりした話のほうが好きだ。★★★
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