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2024年11月22日21:06

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『八犬伝』

今日も映画ハシゴしてきた。時期によっては観るものが無いこともあるが、今年はやたらと好みの作が多い。

『八犬伝』監督:曽利文彦
原作は大のひいき作家・山田風太郎で、もちろん読んでいる。小説も傑作だが、映像化されると一段と素晴らしい。虚実の入れ子構造という珍しい趣向だ。

江戸の戯作者・滝沢馬琴(役所広司)は痛快娯楽小説「八犬伝」の執筆に取りかかる。友人の絵師葛飾北斎(内野聖陽)は話の面白さに惹かれて頻繁に足を運ぶ。
二人のクリエイターのやり取りが楽しい。28年かかった大作なので、年月の経過を見事に表現している。役所広司の芸達者ぶりに感心する。
「四谷怪談」を上演中の劇場を訪れ、作者の鶴屋南北(立川談春)と物語の虚実について議論する。今日でも通用するような高度なフィクション論に感心した。鶴屋が奈落の穴から上半身だけ覗かせている。映画で会話が続くと退屈しがちだが、奇妙な構図が目を引く。上手い演出だ。芝居で伊右衛門を演じているのは中村獅童さんだ。
虚構パート八犬伝は、CGを駆使したアクション時代劇である。迫力満点の上、鮮やかで美しい。八房のリアルなこと。最新のCGは凄いな。玉梓を演ずるは栗山千明。相変わらずの美人ぶりが嬉しい。

義理の娘と二人三脚の創作は凄まじい。
虚構の鮮烈さと現実の地味な苦闘の対比が本作のコアである。映像の説得力が最高に活かされた成功例と言えるだろう。八剣士たちが迎えに来る場面は、まさに戯作者冥利に尽きる。手塚先生や水木先生の最後もこうであったに違いない。★★★★★

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