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2024年11月04日23:43

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「血蝙蝠」

・血蝙蝠 作:横溝正史
角川文庫。1938年から41年の短編9篇を収録する。
表題作と「銀色の舞踏靴」は由利・三津木コンビが活躍する本格推理だ。本格と言ってもこの時期の作品はおどろおどろしい怪奇風味に彩られた、怪人が暗躍する話が多い。少年小説ぽい。出来は悪くない。
あとはすべてオリジナルだ。
「マスコット綺譚」は現代的因縁ホラー。結末が爽やかだ。「X夫人の肖像」は意表を突かれる。
「恋慕猿」は珍しい動物ミステリである。猿と殺人というと米国の古典名作を思い浮かべるが、もっと情緒的で情景が目に浮かぶ。作者の教養がかいま見える佳作である。本書の一押し。
「八百八十番目の護謨の木」は南洋を舞台とした謎解き。一種の国策小説だ。「二千六百万年後」は何と未来社会が描かれるが、これも国策に媚びた内容でSFとはとても呼べない。

玉石混淆なれど、レア作品をまとめてくれたのは有難い。★★★
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