『地平線がぎらぎらっ』(1961) 監督:土居通芳
五人の囚人がいる雑居房に新入りのマイト(ジェリー藤尾)がやって来る。反抗的な態度で衝突が絶えない。が、マイトが窃盗犯でどこかにダイヤを隠していると聞いて、態度が一変する。脱獄してダイヤを山分けすれば大金持ちだ。儚い夢に取りつかれた男たちの脱走劇が始まる。
犯罪者が主役のノワールは好物で、特に脱獄・逃避行には目がない。名作とは呼べないし、映画史に残る作品でもないが、とにかく好みだ。囚人たちがアダ名で呼びあってキャラ立てがくっきりしている。ボス格の「カポネ」・側近のインテリ悪党「教授」(天知茂)・二枚目の「バーテン」・貧弱で性欲だけ強い「色キチ」など、群像劇なのにすぐに全員の名を把握できる。
宣伝カーを奪って逃走するが、疑心暗鬼の殺しあいで次々と脱落者が出る。万里昌代様は「バーテン」の元彼女で、服役中にしっかり別の男をこさえており、怒りの追撃から裾を乱して逃げ回る姿が色っぽい。
ミュージシャンでもあるジェリー藤尾の歌う主題歌が耳から離れない。ぎらっぎらーぎらぎらー。舞台は日本だが、洋画のB級映画のような雰囲気だ。無国籍的というべきか。プロットが安直過ぎるけど、誰も幸福にならないバッドエンドは納得の行く結末だった。★★★★
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