『修羅雪姫』(74) 監督:藤田敏八
2001年の釈由美子版は劇場で観た。アクション監督に香港のドニー・イェンを招いた無国籍アクション映画で、かなり面白かったけど、タイトルだけ拝借した別物だった。
有名な梶芽衣子版は今回が初見だ。基本的に原作に遵守している。牢獄で産まれた鹿島雪は、両親の仇を追って修羅の道を行く。鉄格子越しに降りしきる雪が真っ赤な血の色に染まる。息を呑む導入部である。
本作は梶芽衣子の存在に尽きる。キリッとした和服姿で白刃を振るう。美しくかっこいい。汚れ役の「さそり」なんかより、本作こそが彼女の代表作だ。タランティーノが惚れたはずだ。原作の見せ場を上手く構成して映像で見せてくれる。だいぶ前に読んだ漫画だけど、けっこう覚えているので我ながら驚いた。
明治新政府の徴兵や徴税に怯える農民を騙すやり口が、時代を感じさせて秀逸だ。竹夫人を崖から捨てるシーンの哀れさ。90分で話を盛り上げるためのアレンジもナイスだ。原作では北浜おこのは、死にかけの病人を生命保険に大量加入させるという洒落にならん方法で潰されるが、映画ではシンプルに据えもの切り(笑)される。
小説家の先生はフーテン老人ではなく、イケメン(黒沢年男)だ。鹿鳴館の場面は豪華で迫力満点。
復讐が終わった後の事件に唸らされる。極上の後味である。
★★★★★
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