阿部共実の「潮が舞い子が舞い」が10巻で完結した。
海辺の街で高校生たちがまったりと無駄話をする。それだけの漫画だ。いじめもスクールカーストも存在しない、緩やかで優しい時間が流れる。ある意味で現実には有り得ない理想郷なのかもしれない。
ありがちな日常漫画のようだが、妙な味わいがあった。「空灰」や「タダシくん」の作者と思えない幸福な空間ではあったが、随所にユニークなセンスが光る。犀賀さんが「雌豹のポーズ」にイチャモンつける場面が印象深い。「雄も雌も豹の姿勢なんて同じなのに、雌に限定するところがいやらしい」確かに。気づかなかったな。
最終巻の彼女も可愛かった。「ヘラヘラしてるだけだよ」と言うけど、いつも誰にでも笑顔を向けられるというのは、稀有な才能だと思うぞ。
いい作品だった。
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