・桜田門外ノ変 上・下(90) 作:吉村昭
水戸浪士が幕府大老・井伊直弼を殺害した。政治的意見の対立が原因ではあるが、井伊は水戸藩尊皇攘夷派に嫌がらせを繰り返しており、半分は私怨を晴らしただけと言う気もする。
それでも一応「弱腰外交が許せん」という名分があるので、逆怨みテロリストの忠臣蔵よりはましかなあ。でも義士だ忠義だと数百年に渡って礼讃された赤穂浪人に比べて、水戸浪士を誉める人はあまりいない。
しかし尊皇攘夷派て、何がやりたかったんだろうね。弱腰と言うが、世界を支配する英米に対しては、ヘイコラするしかないではないか。現実が見えてなかったのか。今でもそういう人は多いけどね。
徐々にテンションが高まっていく上巻は、途中で止められない迫力だ。下巻の途中であっさり成功したあとは、関鉄之介の逃避行になる。共感できないので、楽しくない。やっぱり武士って滅んで良かった。
斬首の場で糖尿病故の猛烈な尿意をもよおすところが、情けなくて印象に残る。★★★★
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