mixiユーザー(id:2615005)

2023年07月21日15:28

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柴田錬三郎を読む

・第8監房(57-63) 作:柴田錬三郎 編:日下三蔵
作者の時代小説は何冊か読んだ。ミステリは初めてだ。日下三蔵の編集は当たりが多いので、読むことにした。
8篇のうち5篇は現代が舞台だ。
「平家部落の亡霊」が気に入った。バスが山中で動かなくなり、乗客たちは平家の落人が住む部落に民宿する。生臭い欲望をむき出しにする中年男や訳ありの陰気な男が一夜を過ごすうちに、噂通り奇怪な亡霊が現れる。
サスペンス満載で満足度の高い一篇だった。

「銀座ジャングル」は、一般人が華やかな街の裏社会に関わる。路地の奥には魑魅魍魎が潜むという描写が、いかにもな昭和エンタメである。表題作は同じ房に収用された犯罪者たちの来歴と顛末が描かれる。こういう趣向は結構好きだ。「三行広告」 はお色気コント。お下劣なO・ヘンリーといったところか。

残りの三篇は実録風フィクションだ。
「生首と芸術」は彫刻家の妄念が時代を越える怪奇譚である。とても好みだった。後の二篇は今一つだ。★★★★
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