「太平洋の翼」(63)監督:松林宗恵 特技監督:円谷英二
こちらは史実を元にしているが、「嵐」と違って人物や事件は架空だ。
敗色濃い1944年、千田航空参謀(三船敏郎)は特攻ばかりさせたがる上層部に反発し、精鋭パイロットによる反撃を主張する。制海権を奪われた状況で、各地のエースたちは命がけで集合する。
硫黄島から脱出する男(佐藤充)は敵の魚雷艇を奪って海を渡る。唯一のコミカルな部分だ。ラバウル航空隊のエース(夏木陽介)は沖合でボートから潜水艦に乗り込むが、戦友の載ったもう一隻は全滅してしまう。最も凄惨なのは、飛行機を失って陸戦兵として戦っている部隊長(加山雄三)だ。制空権を奪われた空を輸送機で跳ぶ。敵戦闘機の銃撃で死者が続出し、燃料タンクに穴が開く。機体を軽くするため、遺体は捨てざるを得ない。基地に着いてから、加山は戦死者の姉(星由里子)に面会する。若大将コンビだ。メタな意味で平和のありがたさが身に沁みる。
集合した精鋭たちには新型機「紫電改」が与えられる。当初は目覚ましい戦果を挙げるが、激戦に次ぐ激戦で次々と犠牲者が出る。渥美清が搭乗員として出演している。東宝戦争映画への客演が多い。生まじめな雰囲気が似合ってるからか。わずかなお笑いシーンを担当するが、後からかえって悲しくなる。
主要人物の個性が際立っており、見ごたえのある映画だった。特撮が大好きだが、映画として面白くないと駄目だ。戦艦や戦闘機は怪獣ほどは好きではない、ということかな。
★★★★
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