「銀嶺の果て」(1947) 監督:谷口千吉 脚本:黒澤明
戦後わずか二年でこのクオリティの映画が作られるとは、驚嘆すべき偉業だ。復興に燃える日本人の情熱と後の邦画黄金時代につながる力量を感じられる一作だ。
三人の銀行強盗が真冬の北アルプス山中に逃げ込んだ。
凶悪犯・江島を演じるのは、これがデビュー作の三船敏郎。温厚な老いた泥棒に志村喬。「七人の侍」コンビである。一行が逃げ込む山小屋の可憐な少女は若山セツ子。氷雪に覆われた画面は見てるだけで寒くなってくる。黒澤脚本だけあって緊密なプロットは、まったく予断を許さない。
山岳映画でありサスペンス映画の傑作だ。黒澤と三船・志村の顔合わせというだけで見逃せないが、背景を考慮せずとも内容だけで見る価値は充分である。
★★★★★
ログインしてコメントを確認・投稿する