mixiユーザー(id:2615005)

2018年06月16日23:45

197 view

アメリカミクスポの準備/古典と新鋭

アメリカ・メキシコ公演まであと二週間を切った。いろいろと準備せねば。イギリスとドイツのチケットが気になるが、その前に北米七都市のうち三枚しか買えてないんだよな。チケットマスターという会社がカードを受け付けてくれない。どこの会場も大きいので、贅沢言わなければ入場はできるだろう。


読書日記がだいぶ溜まっているので、ほぼ読んだ順に片づけていこう。


・明日にとどく(56)作:アーサー・チャールズ・クラーク
ハヤカワ青背だ。クラークの初期短編はあちこちで読んでいるのでスルーしようかと思ったが、神保町で見かけて衝動買いした。買って良かった。ダブリは「太陽系最後の日」と「地中の火」のみ。あとは初読みだった。既読の二作が際立って優れているのが口惜しいが、他にもSF黄金期らしい魅力に満ちた佳作が多く含まれている。
「闇を行く」SFホラーの逸品。地上車が故障してしまい、基地まで夜道を歩かねばならない。この惑星で危険な生物は目撃されていないが、それは昼間の話だ。闇の中に何かが潜んでいるという、原初的な恐怖が迫る。SFで怖い話というのは、珍しい。
「忘れられていた敵」氷河期を迎えたロンドンに、たった一人残留した男の日常を描く。これも別の意味で怖い。やたらと寒そうである。

「親善使節」異星人が田舎町に現れる。BBCの放送で英語を学んで正式な服装をしているため、田舎者たちに笑いものにされる。おおらかで楽しいファーストコンタクトだ。
「木星第五衛星」滅びた異星人の文化遺産が発見された。深遠の謎に包まれた貴重な芸術品を巡って、人々が争う。クラークはSFに経済(実利)を絡ませた壮大かつセコい話を何本か書いている。本作は機知に富んだ解決が技あり。
青背の初期短編集はもう一冊「前哨」がある。ついでに読むかな。★★★★


・ゲームウオーズ(11)作:アーネスト・クライン
どわああ、面白かたっっ!こういうSFが読みたかったのだ。
世界は矛盾と苦痛に満ちているし、夢見た未来は来そうにない。だからといってSFまで純文学に歩調を合わせて深刻で陰惨な話にこだわらなくてもいいだろう。

本作の舞台はデストピアだ。資源が枯渇し、格差が定着している。大半の人々はネットワーク「オアシス」の中でアバターとして過ごすのが楽しみだ。ある日「オアシス」の発明者ハリデーが死去した。ハリデーは「オアシス」の中に三つの鍵を隠した。発見し謎を解いた者には、巨額の遺産を手にできるという。スタックハウス(トレーラーを積み重ねた底辺層の住居)に住む少年ワッツは、アバターの親友エイチと共に謎に挑む。


バーチャル世界の冒険がスリリングで燃えまくる。次から次へと襲い掛かる危機を逃れつつ、知恵を振り絞って謎を解く。古典的な王道の冒険活劇と最新の電脳技術を駆使する妙味が、見事に共存している。アバターの仲間たちと時には反目し、時には協力する。ジャンプ漫画ではないが、友情・努力・勝利が熱く誇らしく歌い上げられる。これほどストレートに胸熱くなる物語を読んだのは、いつ以来だろう。
単に架空世界の夢物語だけにとどまらず、ちゃんと現実とリンクしている。ハリデーの遺志はオタクの王に全財産を譲るということなのに、オタクでもない強欲集団が資金力にまかせて割り込んでくる。オアシス内で卑劣の限りを尽くすだけでなく、現実のワッツにまで危機が及ぶ。いやもう、途中でやめられない牽引力だ。

本作は各種のオタクネタが満載だ。大半が80年代以前の作品なのがありがたい。ほとんど理解できる。ネタを知らなくても楽しめるが、わかるに越したことはない。特に下巻後半から終盤にかけて、日本オタクが狂喜するギミックが大量に投入される。最終ステージに進む武器として主人公が「アレ」を選んだ時には、嬉し死にするかと思った。ううむ、アメリカでアレが人気があるというのは本当だったのか。日本人でも知らない人のほうが多いぞ。結末は、まさに画龍点睛でした。★★★★★



3 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2018年06月>
日 月 火 水 木 金 土
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930