
白いのもいいけど、小麦肌もいい。いずれにせよミクさんは天使ということで。
・おれは誰だ?(77)作:ボブ・ショウ
一部に熱心なファンがいるらしい。英国の中堅作家だが、なぜか早川と創元は手を出さず、邦訳があるのはサンリオのみ。本書を含めて三冊しかない。神田で衝動買いした。
わずかに230ページ。町田さわ子じゃないが、薄さに引かれたというのもある。大当たりだった。
ピース・ウォレンは宇宙軍団に志願した。この軍隊は報酬のかわりに過去の記憶を消してくれるのだ。同期兵たちは人生の一部が欠落しているだけだが、ピースは完全に記憶がない。自分を消したいほどの過去とは何か。ピースは軍務のかたわら自分探しを始める。
いい加減な上に残酷な軍隊生活は、鳥肌が立つ。最初の戦場は、タバコそっくりの煙が常に充満している。愛煙家は呼吸するだけで美味しい。嫌煙派には悪夢だろうな。戦争になった理由というのが、すごい。昔の英国、今の米国が仕掛けた戦争は大半がこの類だろう。
次なる戦場は恐ろしい異星生物が相手だ。人体を包み込んで生きたまま消化してしまう「とびかかりじゅうたん」という怪物が印象的だ。この後は波乱万丈にして予測不可能な展開になるのだが、書かずにおこう。アクションが優れているだけでなく、SFの醍醐味がぎっしり詰まっている。
純文学的な嫌な結末だけど、余韻があっていい。と思わせておいて、残り数ページで驚天動地のオチがつく。単なるガジェットと思っていたアレがああなるとは。SFとしても娯楽作としても最高点を差し上げたい。
もう一度いうけど、たったの230ページだぞ。それで風刺軍隊SFとアクションとミステリ風味に××テーマまで入っている。最近の1000ページ越えSF上下巻を読む時間に、本書が4冊読めるんですけど。さわ子が「長い小説は、それ自体が欠点だ」と言ってたけど、基本的に賛成したい。バカ長い小説を書くSF作家に聞きたい。本当にその長さが必要か?★★★★★
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