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2017年03月18日23:56

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『わが名はコンラッド』

発掘本最後の一冊だ。 

・わが名はコンラッド(66)作:ロジャー・ゼラズニイ
海外SFのタイトルは、かっこいいのが多い。黎明期に翻訳を担当した訳者たちのセンスの賜物である。本作もかっこよさでは一二を争うのではないが。

地球は核戦争によって半ば壊滅した。生き残りの地球人は、ベガ人によって救われた。ある者は太陽系に植民地を作り、ある者はベガ人の本星に移住した。主人公と仲間は汚染された地球に住み続けている。考古学者のベガ人を案内して、ギリシアからエジプトへの旅に出る。

主人公は核の影響による突然変異体で、不老不死だ。誰かにほかの名前で呼ばれるたびに「コンラッドと呼んでくれ」と訂正する。これがタイトルの意味だ。あまりかっこよくないね。
変貌した奇怪な地球の描写は、なかなかそそるものがある。主人公の面倒くさい性格は、状況を考えると仕方ない。が、ギリシアが人類文明の中心になっているとか、神話世界が再現されたという設定に首をひねる。なぜ核戦争後にギリシアが復権するのか。
主人公たちは地球に執着する。ベガ人に反発するのは、落ちぶれた名家が新興成金の世話を受ける(受けないと生きられない)自分自身に腹を立てているだけのようにも見える。だから主役サイドには共感できない。

途中までは退屈だが、後半に入ると見違えるようにストーリーが躍動する。決闘シーンからフリーク種族たちとの戦闘、吸血鬼との一騎打ちに至るくだりは、大バロウズもかくやと思われる迫力だ。
オチは洒落ているが、ある意味むなしい。コンラッド一行の葛藤はすべて独り相撲だったのか。
冒険SFとしては、かなり良くできている。★★★★
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