・たそがれ清兵衛(88)作:藤沢周平
作者の本は二冊ほど読んだ。山本周五郎を読破した直後だったので、テレビドラマみたいで薄いなあと言う印象だった。久しぶりに読むとまた違ったタイプの小説巧者であることに気付かされた。
8篇収録の短編集だ。ほとんどが同じ趣向である。日頃の行動や容姿ゆえ軽んじられていた武士が、お家の大事に意外な働きをする。
表題作は妻の看病のため定時でそそくさと帰る男が、お家騒動で活躍する。他に「うらなり」「だんまり」「ごますり」など。「ど忘れ万六」は認知症を患った初老の武士が主役だ。同行委曲が連発して単調ではあるが、カタルシスはある。
「かが泣き」「日和見」は後味がやや苦い。「祝い人助八」は最後の逆転が気持ちいい。




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