市川雷蔵の濡れ髪シリーズがボックスで出たので、購入した。5本入り。シリーズと言っても世界線や主人公が共通しているわけではない。コンセプトが似た作品をひと括りにしたようだ。
『濡れ髪剣法』(1956)監督:加戸敏
市川雷蔵には、若殿が平民に身をやつして活躍する明朗軽快なプログラムピクチャーが大量に存在する。単発作品を過去にレビューした。ボックスの作品を古い順に見ていく。
遠州松平藩の若君(市川雷蔵)は武術の腕が自慢だったが、家来たちがお追従で負けてくれていることに気付いて、自分を鍛えるため江戸へ赴く。
口入れ屋の下働きとして働くも、育ちが殿様だから反応がずれており、周囲を混乱させる。笑いを取りながらも気品が漂うところが魅力だ。
お家乗っ取りを企む家老一味との戦いは、ストーリーが凝っていて目が離せない。ツンデレな鶴姫(八千草薫)や庶民の娘おみね(中村玉緒)の美しさが貴い。ハッピーエンドに決まっていても、楽しくて仕方がない。見ていて幸福な気分になれる映画は、絶対の正義である。





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