・真珠とダイヤモンド 作:桐野夏生
久しぶりの桐野夏生。
ホームレスになった水矢子は、真冬の公園で若い頃の友人・佳那に会った。二人は福岡の証券会社の同期入社組だったのだ。
三十年の時を遡り、バブル最盛期の新入社員時代に舞台は移る。高卒の水矢子は貯金して大学に進むつもりだ。容姿に恵まれた佳那は受付嬢として人気だが、女性社員たちから妬まれる。冴えない風体の男・望月は壮大な野望を抱いていた。
三人の若者を中心にバブルの狂騒ぶりが描かれる。スピーディーな文体でリーダービリティが高い。上下巻750ページを一気に駆け抜けた。
犯罪すれすれのやり口で富裕層に食い込む望月の手腕は読み応えがある。他人事として読むには面白いが、やはり楽して儲ける話はろくなことが無いな。色狂いの医者・ヤクザ・ホストにホステス・占い師・天才と呼ばれる相場師など怪しげな人物が銭に狂って踊りまくる。バブルの顛末を知っているだけに、今にひどい目に遭うことは予想できるのだが、想像以上にひどい結末が待っていた。目の離せない展開ではあるが、終盤がやや単調だ。エピローグが冒頭につながる構成は感心した。私はこの時期は新米の医者だったので、景気には関心なかった。無関心で良かったと思う。




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