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2025年05月21日17:58

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居酒屋小唄/「無惨やな」久生十蘭

昨日書き忘れていた月影兵庫第2シリーズの捕捉。
第3話で、品川隆二と酌婦役の北城弓子が「居酒屋小唄」を披露する。
キスはキスでも塩焼きよ、コイはコイでも洗い鯉るんるん
いかにもな昭和のお座敷ソングだ。不思議に心が浮き立つメロディである。ようつべで見られるので、聴いてみてください。

・無惨やな
久生十蘭時代小説集の二冊目。前作に比べるとインパクトが弱いか。
「三笠の月」「遺米日記」「亜墨利加討」は昭和17年と18年の作だ。太平洋戦争中である。「三笠の月」は遣唐使の話だ。「遺米日記」は初めてアメリカ本土を踏んだ幕府使節の旅行記という体裁で、先方をボロクソに貶す。機関車に乗って「大したことない、馬の速駆けの方が速い」。いや、大したことあるでしょ。大量の人と貨物を運べるんだから。貧乏人の負け惜しみみたいだ。
「亜墨利加討」は武士がアメリカに乗り込んで復讐を果たす。当時の世相を考えると当然だけど、何か情けない。資料としては価値があるかな。同じ国策小説でも乱歩の「大いなる夢」は超音速の可変翼戦闘機という大ボラがそれなりに楽しめた。

戦後は鎖国下の日本人と海外の関わりを描いた作品が多い。「藤九郎の島」は海鳥が生息する島への漂流記だ。「ポニン島物語」は南海の楽園が人間の本性で崩壊する。社会派小説としても読み応えあり。本作が一番良かった。「呂宋の壺」は秀吉の命令でフィリピンに壺を探しに行く。いずれも他の作家がほとんど書かないテーマで、ユニークかつ新鮮だった。★★★★
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