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2025年05月12日21:50

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「スターリングラードの凶賊」完結

「スターリングラードの凶賊」2巻(完結)作:速水螺旋人
東部戦線ウェスタンとの触れ込みで始まった。確かにガンアクションが多く展開が速い。1巻は戦場娯楽活劇だったが、本書はとてもそんな気楽な内容ではない。

スターリングラード包囲戦の最中、国から逃げ出して自分のために生きるろくでなしの集団がある。設定だけでワクワクものだが、終盤の怒涛の展開に魂を焼かれた。政治ドラマであり、ハードボイルドだ。重要人物の意外な正体に驚いたのも束の間、唖然とする結末が待っている。伯爵令嬢て、単なるあだ名じゃなかったのか。火打石がしたたかでカッコいい。作者の描く女であることを物ともしないキャラは大好きだ。
終盤でヘビー級のエピソードが語られる。共産主義の理想を信じたカップルが無惨にも裏切られる。男は処刑され、女は収用所送り。男の親友は彼女の救出を誓う。この悲劇が数ページの駆け足だ。

愛国心や主義信条を、それどころか国家や民族の概念を嘲笑する。最近流行のおぞましい島国保守根性と正反対の極みである。作者の姿勢に心から賛同したい。
トーシャの出自に感激した。ルスランカの選択も見事だ。ワイドスクリーン政治ハードボイルドを、たったの2巻で描ききった。長ければ偉かろうというマンネリ作を描いてる巨匠は見習ってほしい。作者の漫画は全部面白いが、本作が最高だ。★★★★★
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