「本なら売るほど」作:児島青 2巻まで
古本屋漫画だ。読書歴の長いオッサンなので、本自体がテーマになる作品には厳しい。「書店ビブリオ」はキャラクターのチョイスの不自然さが気になって離脱。司馬遼太郎と山田風太郎の両方を愛読するなんて有り得ない。谷川ニコの作品は、原作者の「本は読まない」発言に加えて、夏目漱石だの三島由紀夫だの夏休みの課題図書みたいなラインナップを心底軽蔑した。
本作はいい。愛書家の心理を微妙に汲み取ってくれる。しかも押し付けがましくない。いきなりアフリカ文学「やし酒飲み」から始まり、絶対に面白い本として中島らも「ガラダの豚」を挙げるなんて、渋すぎる。うむ、作者はわかってる。本物の読書家だ。と言っては偉そうですが。
本の素晴らしさだけでなく、苦い事実も描かれている。成金が装飾用に買う文学全集は、誰も読まないし欲しがらない。いかにも、ですな。古本をオブジェとして使う話はゾッとする。
漢和辞典のエピソードは心嬉しい。文化を支えるのはこう言う市井の有志の活動なのだ。★★★★
ログインしてコメントを確認・投稿する