mixiユーザー(id:2615005)

2024年11月21日16:23

91 view

『十一人の賊軍』

ハシゴの二本目。
『十一人の賊軍』監督:白石和彌
戊辰戦争の最中、北陸の小藩・新発田藩の家老溝口は、官軍に降ることを決めていた。だが、奥羽越列藩同盟が出兵を督促して城内に居座る。このままでは進撃してくる官軍と鉢合わせして、領内は戦火に包まれる。溝口は死刑の決まっている罪人十名を砦に送って官軍の足止めを図るのだった。

複雑で斬新なプロットだ。ただでさえ少数が大軍を迎撃する展開は燃える。本作は戦いの動機付けに一捻りも二捻りも加えている。「七人の侍」も「十三人の刺客」も、チームは精鋭であり意志の統一も出来ている。賊軍たちにはどちらもない。任務に成功すれば無罪という条件に惹かれただけだ。腕が立つのは数人だけで、戦闘の出来ないメンバーも多い。特に主人公の設定が際立っている。藩の侍に恨み骨髄で、逃走や裏切りを目論む。身分は駕籠かきだ。時代劇にこんな主人公がいただろうか。前代未聞だ。
歴史文芸作と言える重さと深さだが、殺陣の迫力もしっかり充実している。炎と爆発のアクションに息を飲む。吊り橋のサスペンスも素晴らしい。役立たずと思われた人物が大活躍するのも嬉しい。この人の殺傷数が一番多いのでは。
娯楽時代劇なら有り得ない後味の悪さに鼻白む思いだったが、最後のナレーションで思い込みを覆された。非人道的な胸糞行為であっても、領民を守るためには最適解であったのだ。ズシンと胸に響く力作でした。★★★★★
3 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2024年11月>
日 月 火 水 木 金 土
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930