今日も角川文庫の横溝正史レビューです。
・憑かれた女
三篇いり。最初の二篇は由利先生シリーズだ。
表題作(1933)は幻覚に悩む半グレ少女が事件に巻き込まれる。虚構が現実に反転する趣向がユニークではあるが、ヒロインの扱いが気の毒すぎる。
「首吊り船」(1936) 後ろ暗い金持ちが怪人に脅される、というのは探偵小説の定番だが、本作の被害者は脅迫を自分の利益に変えようとする。したたかで良いね。終盤の展開は唖然とする。
「幽霊騎手」(1933)虚実入り乱れる波瀾万丈な展開は結構だが、やり過ぎ凝り過ぎで支離滅裂な印象を受ける。探偵役の南条三郎は愉快なキャラクターだが、本作だけの単発出演のようだ。
★★★
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