・リアル・シンデレラ(2010) 作:姫野カオルコ
表紙を見て買った本。ポール・デルヴォーというベルギーの画家で、それまでの裸体画の女性がみんな体毛の無いツルンとした身体に描かれているのに、恥毛をしっかり描いたので有名になった。小説のジャケ買いは初めてだ。
珍妙な作品である。シンデレラと言えば、日本では底辺の人が一躍脚光を浴びるというイメージである。本書はまったくそういう話ではない。
長野県に住む泉という女性の半生記だ。幼少期から美しい妹と比較されて周囲から冷遇されてきた。彼女は気に病む様子もなく、畑を作って黙々と実家の旅館を支える。欲望や悪意を持たない彼女は、菩薩か天使のように見えるが、単に価値観が一般人と異なるだけなのか。波乱の少ないプロットながら、深く心に刺さる。不思議な読後感を残す。
ラジオの深夜放送や解決?ズバットなどの文化背景が時代を写し出す。普通なら読まないタイプの小説だ。というか、他で見たことがない。エロい表紙に惹かれて買ったのが思わぬ当たりだった。★★★★
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