・地雷グリコ(23) 作:青崎有吾
デスゲームものは大好きだ。漫画「カイジ」の衝撃は未だに忘れられない。が、これほど外れの多いジャンルもない。女学生版カイジとも言うべき「カケグルイ」はエロに惹かれて見たけど、アイデアはお粗末だった。便乗して作られたB級映画は軒並み駄目だった。本家カイジの映画もオリジナル新作は悪趣味な博打映画になってしまった。本作は約三十年ぶりの大当たりだ。
命を賭けているわけではない。が、女子高生コンビにとってはそれなりに重大なイベントで盛り上がる。五つのゲームが登場する。
表題作は神社の石段を使ったグリコだ。ただし、双方三ヶ所の「地雷」を設定して、踏んだら後退のペナルティがある。逆転・再逆転のスリルがたまらない。
「坊主衰弱」百人一首を使った神経衰弱だ。ルールは坊主めくりと同じ。結末が小気味いい。
「自由律ジャンケン」アイデアは本作が最も優れている。通常のグーチョキパー以外にプレイヤーが独自手を設定できる。ただし無敵は禁止。最低ひとつは負ける条件が必要だ。設定した強さを紙に書いて審判に渡しておく。プレイヤーたちは見られないが、敵の独自手を出すことはできる。考え抜かれた知略のバトルに痺れる。極限のゲーム小説だ。
「だるまさんがかぞえた」鬼のカウントと子の歩数を、あらかじめ申告しておく。ヒロインがとんでもない卓袱台返しで勝利する。
「フォールーム・ポーカー」最終戦はカード三枚のポーカーだ。四種のスークが四つの部屋に裏返しで置かれていて、そこから選ぶ。引く前に見るのは禁止だが、それ以外は何をやってもいい。まあ物凄い展開になる。自由度が高過ぎだろ。
主人公は変な奴だけど、いい子だ。相棒も可愛いし、図に乗った敵を凹ませるのは楽しいが、深刻に傷つけることはない。ゲームもので後味が爽やかなのは珍しい。★★★★★
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