いま相棒が来ている。写真は後でアップするとして、読書日記を書いておきます。
・天狗争乱(94) 作:吉村昭
桜田門外の変に続く水戸藩絡みの争乱である。尊皇攘夷を旗印とする水戸天狗勢の進撃から壊滅までをみっちりと描く。読みやすい上に味わいが深い。どういう事件だったのかよくわかった。
虐殺や放火を繰り返す田中隊の蛮行には嫌悪しか感じない。本隊はおおむね行儀が良かったらしいが、「義軍のために献金せよ」と金をせびられる富裕層はたまったものではなかったろう。寄せ集めた幕府追討軍の行動もひどく、進撃先で略奪とただ食いを行った。で、戦闘は怖いので後ろから付いていくだけ。これが武士道か。数年後の明治維新で武家が消滅したのも当然だ。
頼みの一橋慶喜に見捨てられ、全員が悲惨な末路をたどる。勇ましく戦ったのはいいが、殺したのは日本人ばかり。敵であるはずの英米軍にはかすり傷もつけられなかった。壮大な犬死にというしかない。
結果論だけど、新政府の要職は攘夷を倒幕に切り替えた薩摩と長州に牛耳られた。水戸藩て貧乏くじもいいとこだな。歴史の本質は敗者のドラマなのかもしれない。
★★★★★
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