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2017年09月23日01:01

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ホジスンとベイリー

日曜日からタイに出かけるので、読書日記を書いていこう。8月帰国で読破中断していたストック(大半は相棒と東京旅行したときに神保町で買った)は、この二冊で終了だ。

・異次元を覗く家(1908)ウィリアム・ホープ・ホジスン
この名前に聞き覚えのある特オタは多いはずだ。「マタンゴ」の原作者である。と言っても原作は30ページにも満たない短編で、ほんの筋書きみたいなものだ。探し出して読んだら後悔します。私もそうだった。東宝映画のほうがずっと面白い。
本作は、古い家に住む老人が異次元からの怪異と遭遇する。スリリングではあるが、中盤以降の精神的トラベル?は退屈だ。年代を考えると当然だが、あまりにも古めかしい。SFよりはずっとホラー寄り。★★★

・ゴッド・ガン(16)バリントン・ジョン・ベイリー
2016年に発行された日本独自の短編集である。60年代から90年代にかけて書かれた作品が十篇収録されている。私の好みからいうと、玉石混交だ。

表題作は、友人が神を殺せる銃を発明した。トリガーを引いて「よし、いま殺したぞ」と言われてもなあ。見えないし実在さえ怪しい相手だし。ホラ話に引き込まれて妙な読後感を残す。『大きな音』物質は極限までいくと、状態が変わる。変な発想が魅力的だ。

冒頭二篇は良かったが、続く船つながりの四篇は難解または形而上記述が多すぎる。
後半に配された四篇は、いずれも気に入った。
『ロモー博士の島』ウェルズのパロディだ。本作でも博士は冒涜的な実験を行っている。バカバカしくて楽しい。科学でなく忍法なら、山田風太郎だ。
『ブレイン・レース』重傷の友人を救うため、宇宙飛行士たちは接触してはいけない異星人に救援を求めた。いや、これは接触を厳禁されるはずだ。奇想度では一番かも。

『蟹は試してみなきゃいけない』蟹型異星人の青春を描いた文芸作である。蟹の人生に切なさを感じさせるとは驚きだ。最も文学性の高い傑作だ。
『邪悪の種子』ゾウガメに似た異星人が来訪した。彼は不老不死だという。外科医のジュリアンは、不死の秘密を探り出そうとする。二人の知恵比べ・騙し合いが素晴らしく面白い。結末の容赦なさも好みだ。
玉石混交といっても、玉の美しさが勝っている。★★★★
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