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2017年07月13日22:31

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今一つな二冊:ラヴクラフトとヴォネガット

積ん読崩しである。最大の積読山脈は若いころに買い集めたハヤカワ銀背・青背と創元だったが、一年ほど前に攻略完了した。現存する積読はせいぜい二年くらい前の本だが、早めに読まないと読みづらくなるので、「心から読みたい本」の合間に挟んでいる。

・ラヴクラフト全集2 作:ハワード・フィリップス・ラヴクラフト
勢いで三冊買った。一冊で充分だったかな。
有名な『クトゥルフの呼び声』が収録されているが、考古学の偽書みたいな作品だ。昔から怖いものが存在してました、というだけの話。それがどうしたんだよ。
『チャールズ・ウォードの奇怪な事件』
珍しい中編だ。不老不死の吸血鬼と一般人が対決する。敵の正体は、ちょっと意表をつかれた。しかし地の文ばかりで読みにくいなあ。村人が人外の集団を私刑で殺すシーンがある。執筆された1927 年ごろのアメリカでは、非科学的な理由で大量のマイノリティが殺されたのだろう。人間のほうが邪神なんかより怖いな。★★

・ヴォネガット、大いに語る(74) 著:カート・ヴォネガット
この人の小説は8割がた面白い。第三エッセイ集「死よりも悪い運命」(90)も読みごたえがあった。が、本書は内容が古すぎる。ベトナム反戦や非白人の権利を訴える思想には全面的に賛同するが、当時のアメリカで暮らした人でないとピンと来ない記述が多すぎる。
『サイエンス・フィクション』SFファンの9割5分は低俗だそうです。低俗けっこうだよ。退屈でうっとおしい古典文学よりマシだ。この人は進化し細分化した現代SFと戦前の宇宙冒険小説が区別できていない。
宇宙開発に異を唱えるのもどうかと思う。「莫大な予算を地球上の問題解決に使え」という意見はわからなくもないが、だからと言って人類という種が地べたに張り付いて終焉を迎えるのは悲しすぎませんか。
「科学の進歩が人間を不幸にした」といういかにも70年代インテリらしい言説は、明らかに間違っている。昔に比べると餓死や病死は減ったし、寿命が延びた。生活環境や旅行は封建時代の王様より快適だ。すべて科学のおかげだ。キリストや祈りのせいではない。

内戦下のナイジェリア(ビアフラ)ルポは、価値のある証言だと思う。戦争や政府に対する基本的な思想はうなづける部分が多いのだが、妙に違和感を感じる本だった。★★
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