・スタータイド・ライジング(83)作:ディヴイッド・ブリン
ブリンの出世作で、各賞を総なめにした有名作品だ。が、古書店でしか買えず、例によって初版本だった。ファンの間では話題になっていたが、すでに冬の時代の幕開けだったのか。
ネオ・フィン(知性化イルカ)と人間が乗り込む宇宙船ストリーカーは、「始祖」のものと思われる古代の宇宙船団を発見した。データーを独占しようと襲いかかるエイリアンたちをかわしながら、海洋惑星キスラップに不時着する。
このシリーズの見どころのひとつは、ユニークな列強種族たちだ。宗教狂いの爬虫類・女王が支配する昆虫人・超能力を駆使して現実を捻じ曲げる種族など。これだけの長さを書くなら、もう少し各種族の社会や生態を書き込んでほしかった気がする。
中盤までは話が動かず、ちょっと退屈だ。とは言え、もちろん見せ場はある。イルカの中の変異種が裏切る。この内紛劇はスリリングで、しかも事情を知れば納得する。現地の知性生物とコンタクトするシーンも胸が躍る。
が、何といっても最大の読みどころは、終盤の宇宙戦だろう。大胆な戦法に快哉を叫んだ。イルカたちの読む俳句が日本人には嬉しい。
※群れはぐれ ひとり死にゆくーーこの身悲しき・・・※
面白かった。これで三作読んだので、ひとまず終了とする。陰険で利己的な種族がひしめく銀河というのは、興味深いがあまり快適ではないし。★★★★★
ログインしてコメントを確認・投稿する